葛飾北斎は数多くの絵手本を刊行しており、その作品は高く評価されている。本書は北斎の手掛けた絵手本すべてを紹介する全6巻のシリーズ。収録作品の底本には大変貴重な木版本を用い、高精細なスキャナーにより、彩色摺本・墨摺本ともに繊細でシャープな描線を再現した。
各絵手本中の本文解読「読み下し文」収録。書誌・書影を掲載。
本書は武者絵特集。北斎は長い画業の中で、和漢の故事に登場する武者や豪傑を数多く描いた。本書に収録されている『絵本和漢誉』は、版面の随所に精妙な薄墨が用いられた迫力ある画面が魅力となっている。
『忠義水滸伝画本』では、当時人気のあった「水滸伝」に登場する英雄達が描き出される躍動感にあふれた1冊。また、『和漢絵本魁』は、北斎晩年期の典型的な武者絵像である。画中、北斎自身によって開陳される画論も面白く、彼の絵師たるこだわりを垣間見ることができる。稀覯書『絵本武蔵鐙』は上下巻を収載。